悪徳商法あれこれ、その1(和牛商法)
まだこんな悪徳商法が存在していたのか、という感じです。
20日(木)に飛び込んできた、「ふるさと牧場」(東京都港区)の家宅捜索のニュースです。
今回問題になった「和牛商法」とは、
①「和牛のオーナーになりませんか?仔牛を購入して頂き、飼育・管理・売却したうえで、その売却利益を還元いたします。勿論、飼育・管理・売却は当社が責任をもって行います。」という名目で、多数の消費者から資金を集める。
②写真入りのパンフレットを配ったり、牧場見学などを開催することで、いかにも牛を飼育しているかのように装いつつ、実際にはその出資金を自由に消費し、悪質なケースではそのままトンズラしてしまう。
大まかにいうとこのような悪徳商法のことを言います。
今回のケースでは、2005年8月から12月にかけて東京都の老人から多額の出資金を受けとったことが問題となったようです。しかし、こういった「消費者から出資金を集めて、物品を購入し、そこから生み出される利益を消費者に還元する」という商法自体は、和牛に限らず、金や宝石などを購入させるというものもあり、古典的な手口の一つと言えます。このコラムの冒頭で「まだこんな悪質商法が存在していたのか・・・」と言ったのはそういう意味です。
この会社は1995年の設立後、現在まで100億円以上を集めたとのことですから、余程巧妙な手口だったのでしょう。実際、ニュースなどで公開されたパンフレットなどを見ると、結構良くできているんですね。「出資法の改正」を謳って法律違反ではないことを強調したり、パンフレットもわかりやすく作ってあったりと。下手な金融機関や保険会社のパンフレットよりも構成だけなら奇麗なぐらいです。だからこそ被害者も膨大な数になってしまったんでしょうが・・・。
では、こういう商法の被害にあってしまったらどうしたら良いのでしょうか?
勿論、耳を貸さないのが一番ですが、超低金利が一般的になっている正規の金融機関に預けるよりは・・・ということで被害にあってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
対処法は大きく分けて2つあります。
①民事的対処法・・・訪問販売や電話勧誘販売などは特定商取引法の取消しが利用できるか否かを検討する。また消費者契約法の取消しの適用の可否も検討する。今回のケースでは会社自体は存続しているので、会社宛に内容証明郵便などで契約の無効・取消しを主張する。
②刑事的対処法・・・出資法違反での告訴、詐欺罪での告訴を検討する。
ただし、上記の対処法を使っても、元金の全部を取り戻せる保証はありません。もともと「元本・利回り保証」というこの商法自体が本質的に破綻する危険性を秘めているからです。ちょっと考えれば分かると思いますが、「元本・利回り保証」で年6~9%の配当を捻出するなどという商法が長続きするわけがないんです。加えて和牛商法の場合は、牛の飼育費用・管理費用・売却費用まで業者持ちですから、慈善事業でもないかぎりこのような事業を行えるわけがありません。おそらくこの会社にも預かった出資金はほとんど残っていないでしょう。ですから、旨すぎる話にはよくよく気をつけなければならないのです。
次回は、「慈善事業の寄付金」にまつわるお話をしたいと思います。
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