悪徳商法あれこれ、その2(慈善事業)
先日、当事務所に珍客が来訪しました。
ちょうど昼時でしたので、あつあつの焼きそばを食べていたんです。
玄関先には、20代前半とおぼしき木訥そうな青年が立っていました。大学生だそうです。
その青年は、中東やアフリカなどで地雷によって手足を失った子供達のために、車いすや義手・義足などを届けるボランティアのアルバイトをしているそうで、社員証らしきものも見せてくれました。
悪徳商法については日頃研鑽しておりますので、「多分悪徳商法だろうな・・・」という勘が働きました。そこで用心深く話を聞きました。
案の定、彼はハンカチセットやらタオルセットやらを取り出して、「1セット12,000円でお願いします。」というのです。
私は聞きました。「ハンカチ4枚で12,000円ってのは相当高いですよね?」
彼「お気持ち分、上乗せして頂くということで、お願いします。」
私「あなたの社員証に載ってる○○有限会社(本社東京)さんが、集めたお金をしっかり慈善事業に使っているという保証はあるんですか?」
彼「(パンフレットを提示して)一応、ここに会計の資料があるんですが・・・」
私「でもこれが本当にこのとおりに使われてる保証は無いわけですよね?」
彼「・・・・・・」
私「あと、この会社は社団法人とかNPO(特定非営利活動法人)とかではないわけですよね? そうすると主務官庁の監督なんかも無いということですよね?」
彼「・・・・・・」
私「そういう会社に寄付金を出すのはちょっと無理なんですけど」
彼「・・・・・・また機会がありましたらお願いします。」
多分もう来ないでしょうね。面倒くさい人だと思われたでしょうから。
特に弁護するつもりも無いですが、彼はおそらくいい人なんでしょう。その会社が慈善事業を行っていることを信じ、それに関与する自分自身を誇りに思っているんでしょう。その気持ちは言葉の端々に現われていました。実際、彼が見せてくれたパンフレットにはアフリカの施設で義手や義足を付ける子供達と笑い合う青年たちの姿が映っていました。本社が東京にあるとのことですから、全国的にこういった活動に参加する青年たちが相当数いるということでしょう。その精神はとても崇高なものだと思います。
ただ、その方法が問題なのです。先程の問答の中で、私は「集めたお金をしっかり慈善事業に使っているという保証はあるんですか?」と言いました。その時、私は次のような試算をしていました。
私が住む松島町(約5,500世帯)を例に挙げてみましょう。
全世帯を訪問して、100軒中1軒だけ成約したとしますと、55件。
ハンカチ4枚の原価が1,000円だとすると、12,000-1,000で、1軒につき11,000円が売上になります。その売上から人件費(学生の善意を利用していますので、人件費は相当安く抑えられるでしょう。仮に日当3,000円とします。)を引いても、11,000-3,000で、8,000円が1軒あたりの純利益になります。これが55軒ですから、400,000円強の純利益があがるわけです。
宮城県全体では880,000世帯(平成18年12月現在)あるそうですが、上記の試算を適用してみると、
880,000÷100×8,000=70,400,000円
宮城県一県だけでこれだけの利益があがる計算になります。
勿論、パンフレットに使用する写真を作成しなければなりませんから、この活動に参加する学生の一部(ここがポイントです)を実際にアフリカに連れて行ってはいるでしょう。義肢・義足・車椅子をある程度プレゼントする必要もあるでしょう。しかし、学生の善意を利用している以上、渡航費用などもかなり安く抑えられるでしょうし、集めた金額に比べれば微々たるものです。
また、上記の試算では、成約率を100分の1に設定しましたが、
①昼間に訪問するため、応対する家人が女性であることが多い。
②慈善事業を名目にしているために断りづらい。
などの要素も考え合わせると、成約数は更に多いかもしれません。
それでいて、これだけの利益を上げているにも関わらず、社団法人やNPO法人であるわけでもないのです。公的に認められた慈善団体となれば、より効率的に寄付金を集めることができ、慈善事業の発展が見込めるというのに。
以上のように考えると、この「慈善事業」は十中八九、悪徳商法だと思われます。
ただ、一般的な悪徳商法が、業者の利益を追求するだけなのに対して、この悪徳商法は消費者の善意と関与する学生の善意の両方を食いものにするという点で、より悪質であると言えます。また、更に厄介なことに、この「慈善事業」が現在物議を醸している「霊感商法」に繋がっていく可能性すらあるのです。
消費者の皆様が先に挙げた問答を参考にして、こういった勧誘を撃退されることを願うばかりです。
そうそう、食べていた焼きそばがどうなったかは聞かないで下さい(涙)
次回は「霊感商法」についてお話したいと思います。
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コメント
これ、たぶん統一協会系の訪問販売ですね
ほんと、汗水垂らして歩き回る学生さんのバイト代なんて微々たるものらしいです
それにしても、お昼時にやってくるとは非常識な・・・
投稿: hattimi | 2007年12月26日 (水) 17時39分
みんな の プロフィールは、アクセスアップをお手伝いするサイトです。
http://blog.livedoor.jp/meannano/
より多くのひとに貴方のブログを見てもらえます。
投稿: みんな の プロフィール | 2007年12月27日 (木) 12時12分
hattimi さんコメントお寄せ頂きありがとうございました。まったく非常識にもほどがありますよね(怒)ボクの焼きそばを返せ~、っていう感じです。
また遊びに来て下さいね。
投稿: 伊藤 薫 | 2007年12月27日 (木) 17時47分